応用生物科学専攻 動物栄養科学分野/京都大学農学研究科

動物栄養科学分野

高品質な牛肉生産のための栄養学

筋肉内における脂肪組織形成すなわち「脂肪交雑」の多い牛肉は、霜降り肉と呼ばれ、消費者の嗜好が高く、わが国で生産される牛肉の特徴でもあります。肉牛に高いエネルギーを含む飼料を、多量に長期間与えると、筋肉内に多くの脂肪細胞が出現し、脂肪交雑が増加します。したがって、脂肪細胞分化が脂肪交雑に影響することは明らかですが、その分化調節メカニズムは明らかになっていません。本分野では、高い品質の牛肉生産技術の開発を目指して、筋肉内における脂肪細胞分化メカニズムの解明ならびに栄養操作による脂肪細胞分化調節を目指した研究を行っています。

ウシ脂肪組織由来脂肪前駆細胞の特徴

動物栄養科学分野 RT-PCR による転写因子mRNA発現の検討

脂肪細胞分化過程ではいくつかの転写因子が段階的に発現し、分化を導く。ウシ脂肪組織から単離した脂肪前駆細胞は、当初から分化に必須な転写因子であるC/EBPβとPPARγを発現しており、分化段階の進んだ前駆細胞がウシ脂肪組織に存在していることが明らかとなった。(画像は、RT-PCRによる転写因子mRNA発現の検討)

局所因子によるウシ脂肪細胞分化

動物栄養科学分野 脂肪を赤く染色した培養皿

TGF-βファミリーに属するタンパク質群は、細胞特異的に分化や増殖を制御していることが知られているものの、詳細に関して不明な点は多い。TGF-βファミリーの一員であるマイオスタチンやアクチビンには脂肪細胞の分化を抑制する働きがあることが明らかになった。現在、この現象の機構を分子レベルで解析している。(画像は、脂肪を赤く染色した培養皿マイオスタチンにより脂肪細胞分化が抑制される)

栄養素によるウシ脂肪細胞分化調節

動物栄養科学分野 脂肪滴を赤く染色した細胞像

ビタミンAが不足した飼料を肉牛に与えることにより脂肪交雑を高める飼養法が行われている。ビタミンAがウシ脂肪細胞分化を抑制することを明らかにし、筋肉内で脂肪細胞が増加する時期のみにビタミンAを不足させる新しい飼養技術の普及につながった。次いで、ビタミンCや亜鉛が脂肪細胞分化を促進することを明らかにし、現在は飼料に微量含まれる生理活性物質による脂肪細胞分化調節能を検討している。(画像は、脂肪滴を赤く染色した細胞像。ビタミンA添加により脂肪細胞分化が抑制される)

キーワード

肉牛、肥育、脂肪交雑、細胞培養、脂肪細胞分化、ビタミン、ミネラル、局所因子、筋肉、動物栄養学、分子生物学

教 授 : 松井  徹
准教授 : 舟場 正幸
助 教 : 友永 省三
TEL:075-753-6056
E-mail:matsui@kais.kyoto-u.ac.jp
URL:http://www.jnutr.kais.kyoto-u.ac.jp/