応用生物科学専攻 海洋環境微生物学分野/京都大学農学研究科

海洋環境微生物学分野

微生物でモノ作り

微細藻類やラビリンチュラ類は、抗酸化作用を持つカロテノイドやω3系脂肪酸を生産することから、機能性食品や化粧品の原料として利用されています。さらに、カーボンニュートラルで再生可能な第三世代バイオ燃料(脂質・炭化水素)生産微生物として、低炭素社会を目指した研究開発が進められています。当研究室では、「マイクロバイオファクトリー」の創成を目指し、微生物の働きを利用した有用物質生産に関する研究を行っています。また、世界各地の深海底熱水活動域をはじめとする海洋の極限環境を研究対象とし、「地球を食べる」微生物の生理生態や進化をモデルに海洋生命圏を総合的に理解するための研究を行っています。

微細藻類の有用物質生産に関する分子育種研究

200413-クロレラ写真

トレボウクシア藻クロレラは、ω-3系必須脂肪酸であるα-リノレン酸やβ-カロテン・ルテインを生産し、健康食品として利用されています。また、緑藻ヘマトコッカスはアスタキサンチンを生産します。これらの微細藻類について、ゲノム解析、遺伝子操作による分子育種や未知遺伝子の機能解明に取り組んでいます。(写真は、クロレラ ブルガリス)

ラビリンチュラ類の有用物質生産に関する分子育種研究

200413-ラビリンチュラ写真

ラビリンチュラ類は、マングローブ域などの沿岸域に生息する従属栄養微生物で、DHA(ドコサヘキサエン酸)やアスタキサンチンを生産します。これらの微生物について、遺伝子操作による分子育種や未知遺伝子の機能解明に取り組んでいます。(写真は、ラビリンチュラ類の培養)

極限環境に棲息する微生物の生理・生態に関する研究

200413-しんかい写真

深海や深部海底下には、極めて豊かでユニークな生態系が存在します。特殊な培養法やゲノミクス・グライコミクスといった分子生物学的手法を駆使し、現場に生息する(微)生物の生理・生態・進化を分子レベルで理解し、その特殊能力を人類の生活に役立てるための研究を進めています。(写真は、潜水艇「しんかい6500」)

キーワード

微細藻類、ラビリンチュラ類、遺伝子工学、ゲノム編集、ω-3系脂肪酸、DHA、カロテノイド、バイオ燃料、深海底熱水活動域、共生、化学合成、生物間相互作用、極限環境

教 授:澤山 茂樹 (TEL:075-753-6356, sawayama.shigeki.3u@kyoto-u.ac.jp, 農学部総合館E-510)
准教授:中川 聡 (TEL:075-753-6355, nakagawa.satoshi.7u@kyoto-u.ac.jp, 農学部総合館E-506)

URL:http://www.kanbi.marine.kais.kyoto-u.ac.jp/index.html