応用生物科学専攻 生体機構学分野/京都大学農学研究科

生体機構学分野

哺乳動物の生理機能を解明する

21世紀になって世界的な環境問題である地球温暖化や環境ホルモンによる環境汚染などが、私たちの生活だけでなく、家畜の健康や生産性にも多大な影響を及ぼしています。生体機構学分野では、環境要因と動物・家畜の生理・免疫・生殖機能の関係を遺伝子・細胞・組織・生体レベルで解明し、機能性成分などを活用して動物の健康維持と家畜の生産性向上に貢献できる研究を行っています。

高機能性成分を活用した動物の生理・免疫・生殖機能の改善

生体機構学分野 カロテノイドによるlgA産生の効果

動物は環境の変化によって、生理・免疫・生殖機能に異常をきたすことがあります。そこで、食品や飼料中に含有される機能性成分を活用して、哺乳動物の生体機能に及ぼす効果を生化学的、病理組織学的および分子生物学的手法で解析しています。主なテーマは、カロテノイドによる新生児の腸管免疫改善法の開発、妊娠・泌乳マウスのミネラル代謝の改善、免疫機能に対する植物エストロゲンの効果、アスタキサンチンによるウシ初期胚の暑熱ストレス緩解効果などです。(画像は、カロテノイドによるlgA産生の効果の模式図)

環境に配慮した乳牛・肉牛の飼養管理システムの開発

生体機構学分野 乳牛の栄養状態を評価する

牛は人間の利用できない草から栄養価の高い牛乳や牛肉を生産しますが、一方で地球温暖化の一因となるメタンや水質汚染源となる窒素、リンなどを排泄します。そこで、乳牛・肉牛の代謝に及ぼす暑熱ストレス等の影響を生化学的、栄養生理学的な方法で解明し、自給粗飼料を活用した環境保全型乳牛・肉牛飼養システム、高温時における乳牛・肉牛の生産性改善と水資源の有効活用法等、環境に配慮した飼養管理システムの開発を行っています。(写真は、乳牛の栄養状態を評価する様子)

哺乳動物の生殖機能を支える因子の解析と繁殖性改善技術の開発

生体機構学分野 ウシ初期胚のメチオニン代謝

現在、家畜が高能力化する一方で、繁殖効率の低下が家畜の生産性向上を阻害しています。そこで、哺乳動物の生殖機能に関与する因子を解析し、繁殖性の改善ならびに繁殖障害の回避法を開発しています。主なテーマは、卵巣形成・機能に関与する因子の解析と卵母細胞保存・発育促進法の開発、哺乳動物着床前胚の発生と分化に及ぼす環境因子の影響の解析などです。(画像は、ウシ初期胚のメチオニン代謝関連する写真。ウシ受精卵におけるメチオニンの代謝酵素(MAT)の発現(左、緑色)。MATを阻害する(右上)と、対照(右下)に見られる胚盤胞(腔を形成した胚)への発生が著しく抑制される。メチオニンは初期胚の発生・分化において重要な役割を担う栄養素の一つである。)

キーワード

哺乳動物、マウス、乳牛、肉牛、生理機能、免疫機能、生殖機能、環境

教 授 : 久米 新一
助 教 : 杉本 実紀・池田 俊太郎
TEL:075-753-6324
E-mail:kume@kais.kyoto-u.ac.jp
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