応用生物科学専攻 畜産資源学分野/京都大学農学研究科

畜産資源学分野

日本と世界の資源動物からの食料生産を探求する

資源動物からの食料生産は、自然条件のみならず、社会的・経済的条件と結びついて、多種多様な形態で営まれています。本研究分野では従来の実験的手法や調査研究に加えて、システム分析、生物統計学などの新しい分析ツールを積極的に活用し、既存の生物学分野から経済学、農村社会学、文化人類学までの学際的総合研究の幅広い視点から、日本と世界のさまざまな生産システムの実態とそのメリット・デメリットを調べ、畜産を含む農業全般に関する食糧問題や環境問題を解決するための研究を行っています。また、本研究分野では、21世紀の環境保全型畜産を目指して、未利用資源や副産物を用いて資源循環型の畜産技術開発を図ったり、日本と世界各地の伝統的な耕畜連携複合畜産のメリットを再評価しようと試みています。

日本の資源循環型複合生産の検討

畜産資源学分野 調査農家における窒素の利用状況

日本の中山間地域では、今も稲わらや野草を牛の飼料として利用し、そのふん尿は田畑に肥料として還元されている。また、沖縄や西南諸島では、さとうきびと肉牛との統合生産が一般的に見られる。さとうきびの葉の部分(トップ)は飼料として、また糖液の絞り粕(バガス)は敷料として利用されている。このような生産システムが研究の対象である。(画像は調査農家における窒素の利用状況(肥育牛10 頭規模))

資源として重要な家畜飼料資源の探索

畜産資源学分野 耕作放棄地でのGPSを用いた放牧牛行動調査研究

世界には、いまも貴重な遺伝資源としての家畜が小規模飼育されている。それらの特性を調べ、現地の未利用資源等を利用した飼養管理方法を検討し、保全計画や予算配分の策定を行う。(写真は、耕作放棄地での放牧牛行動調査研究)

アジアの複合生産システムの研究

畜産資源学分野 ネパールタライ地域での水牛飼養と南タイにおける在来種ヤギ

アジアの多くの国々ではいまも牛や水牛が乳用、肉用、耕作用などさまざまな用途で利用されている。また、ヤギは乳用、肉用、まさかの時の生きた蓄財として庭先で飼育されている。このようなアジアの有畜複合システムの実態とその中の資源循環を調査する。(写真は、左がネパールタライ地域での水牛飼養。右が南タイにおける在来種ヤギ)

キーワード

ウシ、スイギュウ、ヒツジ、ヤギ、複合生産、在来家畜、元素循環、環境保全型畜産、未利用資源の飼料化、放牧、栄養学、草地学、遺伝育種学、システム科学、情報科学、ミートサイエンス

教 授 : 廣岡 博之
准教授 : 熊谷  元
助 教 : 大石 風人
TEL:075-753-6365
E-mail:hirooka.hiroyuki.3s@kyoto-u.ac.jp
URL:http://www.animprod.kais.kyoto-u.ac.jp