応用生物科学専攻 海洋生物生産利用学分野/京都大学農学研究科

海洋生物生産利用学分野

海洋生物資源の機能分子を探索する

広大な海洋の多様な藻類や無脊椎動物、微生物から健康維持や生活の質の向上に役立つ機能性物質について探求しています。すなわち、細胞生物学や分子生物学等、マリンバイオの先端技術を駆使して機能性成分の探索、機能発現機構解明、機能性成分の消化吸収機構解明等を行っています。また、機能性探索には国際的、学際的な協力が不可欠であるため、国内外の大学や企業との協力プロジェクトを立ち上げるとともに、インド、中国、タイなど世界各国からの留学生を受け入れて研究を進めています。

海洋生物からアレルギー、血管新生抑制、肥満、美肌等々に有効性が期待できる様々な機能性物質を見いだし、その機能発現のメカニズムを明らかにしている。

海洋生物生産利用学分野001

ナマコのスフィンゴ脂質は光老化に伴うシワ生成を抑制する

海洋生物生産利用学分野 ナマコのスフィンゴ脂質

紫外線は皮膚の老化(シワ形成、保湿性低下、ガン化)を促進することが知られている。ナマコのグルコシルセラミド(スフィンゴ脂質の一種)が、この老化を防止することを発見した。(A:紫外線を照射すると皮膚が厚くなりシワができる。B:スフィンゴ脂質が存在するとシワができにくい)

海洋性カロテノイドは血管新生を抑制する

海洋生物生産利用学分野 海洋性カロテノイド

ガン細胞はある種の因子を分泌して新たな血管の発生を誘導する。新生血管はガン細胞に栄養素を供給し、その急速な増殖を助ける。このため、ガンの抑制には血管新生抑制が重要である。海洋性カロテノイドが血管新生促進因子の分泌を抑え、血管新生を顕著に抑制することを発見した。(A:血管内皮細胞が血管様の細胞に伸長している。B:カロテノイドが存在すると伸長が抑制される)

キーワード

機能性物質、食品機能、カロテノイド、高度不飽和脂肪酸、スフィンゴ脂質、消化吸収

教 授 : 菅原 達也
助 教 : 真鍋 祐樹

TEL:075-753-6212
E-mail:sugawara.tatsuya.6v@kyoto-u.ac.jp
URL:http://www.bioproducts.marine.kais.kyoto-u.ac.jp/