応用生物科学専攻 海洋生物増殖学分野/京都大学農学研究科

海洋生物増殖学分野

 魚類の生理・生態・系統

海洋の多様な生物資源を持続的に利用するためには、そこに生息する生物に関する基礎知見の集積が不可欠となる。当研究室では、主に魚類を研究対象に、生理、生活史、分類などの分野において、海洋の多様な生態系を維持しながら資源の有効利用に貢献することを目標に研究を進めている。ゼミ(演習)では、各学生・院生の個別の研究内容にかかわらず、魚類やそれらの生きる海についての、ざっくりとした知識を広く吸収することを求めている。課題研究(卒論)においても、生きている丸ごとの魚自身や、魚が実際に生きているフィールドなどからスタートするような、荒削りの現象をテーマとするように心がけている。このため、卒業生の多くが国や県の試験研究機関を初めとする、海や海洋生物を扱う現場で幅広く活躍している。

カレイ類をはじめとする魚類の形態異常の発現機構

カレイ類は、カエルと同様に変態して大人と同じ形になる。この時に体の左右が異なった色や形となるが、飼育の仕方によっては10-80%もの個体が変態を失敗し、いわゆる形態異常となってしまう。例えば図に示したような、両側とも表や両側とも裏のような「左右対称なカレイ」や、左右体表の一部に逆側の鱗が作られたヒラメである。また、他の魚類でも様々な形態異常が知られており問題となっている。これらの形態異常が発現する機構について、飼育実験やホルモン投与実験などから検討を行っている。

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魚類仔稚魚の生態・遺伝学的研究

魚類の種多様性や遺伝的多様性を明らかにすることは,水産業における増殖や資源管理などの基礎として重要である.種の輪郭とその歴史的成立過程を調べることを目的として,分子遺伝学的手法により種内の個体群構造,系統地理,隠蔽種の探索,二次的接触と交雑,遺伝子浸透などについて研究している.主な対象種は西日本から韓国に分布する温帯性の内湾沿岸魚類である.

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キーワード

変態、ホルモン、個体生理学、初期生活史、個体群構造、有明海、河口域、系統分類、比較形態、新種、地理的変異、進化

准教授 : 田川 正朋
助教 : 中山 耕至

TEL:075-753-6221
E-mail:zoshoku@kais.kyoto-u.ac.jp
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