応用生物科学専攻 昆虫生理学分野/京都大学農学研究科

昆虫生理学分野

昆虫の行動のしくみを探る

昆虫はシンプルな構造にもかかわらず、洗練された行動で外界と関わっている。我々ヒトの脳の100万分の1の数の神経細胞からなる小さな脳で、反射や本能行動、さらには学習行動までもこなしてしまう。昆虫の行動には、一見すると我々とあまり変わらないものから、昆虫の不思議に数えられるものまで含まれている。しかし、そのどれをとっても我々とは違ったやり方でおこなっているらしい。本分野では,昆虫がさまざまな情報を受けて行動にどのように反映させているのか、その独特な感覚と情報処理系、さらに運動出力についてのメカニズムを明らかにする研究をおこなっている。

昆虫が環境中の情報を利用して、資源にたどり着く方法を明らかにする

昆虫生理学分野 サーボスフェア上の昆虫の仮想現実

昆虫が餌や配偶者などの資源を探索する時、感覚情報の種類に応じた独特な行動プログラムでその情報を利用する。もしも仮想現実の環境世界で、虫を騙して首尾よくゴールに誘導できたならば、その行動プログラムが実際に使われていることを証明できる。自動で床面を動かして昆虫を常に一点に留める装置を使って、匂いや風、照明など環境情報を時間的・空間的にコントロールしながら、昆虫の行動応答を解析している。(写真は、サーボスフェア上の昆虫の仮想現実)

昆虫が情報交換に使う化学物質を明らかにする

昆虫生理学分野 ゴキブリの脳と匂い刺激装置

昆虫が仲間との交信に使う集合フェロモンを中心に、情報化学物質の研究を、発足以来行ってきた。極微量で行動をコントロールするフェロモンの分離精製と構造の解明を、行動試験と電気生理を含む生物試験と化学分析・分光分析で行なっている。昆虫はまた一般臭を学習する。学習した匂いによる行動の制御について、研究を進めている。(画像は、ゴキブリの脳と匂い刺激装置)

昆虫が受けるシグナルと環境情報の分析

昆虫生理学分野 タイワンエンマコオロギ雄

匂いのほか、振動や音のシグナルについても、波形解析にもとづく合成音への応答から情報の実体を明らかにして、信号の進化を探ろうとしている。
昆虫の行動のしくみを探る基礎研究は、効果的な害虫管理のほか、昆虫の行動を模倣したバイオロボティクスにもつながっている。(写真は、左がタイワンエンマコオロギの雄。右上が自然音、右下がパルス間隔の短い合成音)

キーワード

昆虫の行動、情報化学物質、フェロモン、シグナル、神経行動学、バイオロボティクス、記憶と学習

教 授 : 佐久間 正幸
助 教 : 福井 昌夫
TEL:075-753-6308
E-mail:sakuma@kais.kyoto-u.ac.jp
URL:http://www.insectphysiology.kais.kyoto-u.ac.jp/